転職コラム

中高年の転職の現実から見る成功と失敗の分岐点と成功するためにやるべきこと!

目次

中高年の転職が増えている理由

中高年の転職が難しいといわれる理由

中高年の転職が抱えるリスク

中高年が転職を成功させるためには

まとめ

まず初めに

退職したらのんびりと過ごそうと夢を見る中高年にとって、「退職したら」の時期は定年ではなくなってきました。人生は100年時代となり、仕事に携われる時間が長くなったのです。さらに、その時間をより有効に活用したいという要望も増えています。その一方で、中高年になってからの転職は難しいという声も聞きます。では、中高年で転職を成功させるためにはどうしたらいいのでしょうか。

中高年の転職が増えている理由

中高年の転職は、以前に比べ大きく増えています。その理由の1つに、元気で働ける人たちの年齢が上がったことが挙げられるでしょう。平均寿命が延び超高齢化社会である現在において、現役で働けるアクティブシニア層は厚くなっています。これにより定年後ももう少し働きたい人が増えたのです。

さらに、コロナ禍で働き方の多様化が加速したことも理由の1つです。今までと同じ事業方法では企業成長や維持が困難になってきました。新しい事業の立ち上げを早急に行いたい企業にとって、経験豊富な技術者や管理職ができる人材は即戦力になります。終身雇用制度が絶対なものであった社会から柔軟な働き方の多様化に対応する社会へと否が応でも変わらされたことで、転職を考える人が増えました。

中高年の転職が難しいといわれる理由

一般的には、年齢を重ねてからの転職は難しいというイメージが強く、実際にそのような経験をした人も少なくありません。厚生労働省がまとめた「2020年(令和2年)雇用動向調査」の年齢層別の転職実態を見ると、統計的にも明らかであることがわかります。例えば転職入職率を見ると、50~54歳の男性が4.2%と最も低く、次に低いのが55~59歳の年齢層で5.0%となっています。女性の場合は、年齢とともに次第に下降傾向にあるものの同じ50~54歳で8.5%、55~59歳で7.8%です。逆に25~29歳では男性12.4%、女性13.8%です。このように、中高年の転職率は他の年齢層と比較すると低いことがわかります。

ではなぜ転職がむずかしいのでしょうか。その原因のひとつが転職する理由にあります。50代以降で転職を考える場合、積極的な理由よりもむしろ会社都合や解雇、退職勧奨などを受け入れたことによる転職が若年層に比べて大きな比率をしめています。特に2020年からのコロナ過の影響は大きく転職市場はより厳しさを増しました。そのため、転職に対する十分な準備がないまま転職活動に移らざるを得ない状況が発生したのです。

また人件費の高さも転職を難しくしています。中高年の転職者の多くは、これまでのキャリアを活かした転職を希望します。積極的に転職をする人は特にすでに社内である程度の結果を出し、キャリアに応じたポストについています。中高年を中途採用する場合は、キャリアやポストに応じた給与を支払う必要があり、企業にとっては人件費の増加になるため、慎重にならざるを得ません。当然のことながら、企業からの求人条件も厳しく、高い経験や即戦力が求められます。若年層であれば未経験者求人も多いのですが、中高年の場合は少ないのが現状です。企業から見ると、中高年を育成、教育するよりも、若手をさらに伸ばしていく方に投資したいと考えるからです。

中高年の転職が抱えるリスク

中高年が転職活動を始めるにあたり、2つのリスクを理解しておく必要があります。

第一に、収入が減少する可能性です。30歳代を中心とした年齢層での転職の場合、前職の給与に比べ増加する傾向が強く出ています。しかし、中高年層の場合は、必ずしも増加するとは限らず、逆に減少することも考慮しなければなりません。十分なキャリアを持ち、そのキャリアの人材を強力に欲しがっている企業とうまくマッチングした場合は増加する可能性もありますので、一概に減少するとは言い難いですが、中高年の転職のリスクとして理解しておきましょう。

第二に、転職活動の期間が長くなるリスクです。これまでのキャリアを活かす転職を希望するため、まずは企業とのマッチングに時間がかかります。次に、希望するポジションが高くなればなるほど、面談などの回数が増えたり給与や条件面での折衝に時間がかかったりといった採用フローが複雑になります。そのため、転職が決まるまでの時間がながくなってしまいます。

中高年が転職を成功させるためには

では中高年が転職を成功させるためにはどうしたらいいのでしょうか。

まず大切なことは前述したリスクをしっかりと理解し、受け入れられるようにすることです。

中高年の転職では、収入が減少してしまうことは少なくありません。収入にこだわってしまうとせっかくの転職のチャンスを逃すことにもなります。自分の転職の本来の理由を考え、自分自身の転職に関する希望をはっきりと認識しましょう。収入にこだわっている場合をのぞき、働き甲斐やその他の条件面を吟味し、許容できる収入額を指針として事前に決めておくことも重要です。

転職活動が長期化も事前に覚悟することで焦りからくる失敗をさけることができます。中高年の転職活動は時間がかかる傾向にありますので、今の仕事を辞めてから転職活動をスタートさせるとリスクが高くなります。可能であれば、今の仕事を続けながら転職活動を行い、転職のめどがついたら辞めるという段取りがおすすめです。

転職先については、自身のキャリアを活かせるところが最も候補となりやすいですが、それ以外にも、興味のある職種や人材不足の業種を積極的に探してみることもおすすめです。現在どの業界においても人材不足が問題視されていますが、その中でも安定して人材を求めている市場もあります。未経験者を積極採用している企業に思い切って応募してみるのもよいですし、今のキャリアを今とは違う活かし方をする企業でチャレンジするのもよいですね。柔軟に求人をさがしてみましょう。

まとめ

中高年の転職の場合、これまでのキャリアと現在の市場の状況によって状況は大きく変わります。肩書きや経歴、収入にとらわれず、自分のやってきたことや強みを生かせることはなにかを考えてみましょう。自分自身を棚卸しして、譲れない条件をしっかりと自分自身で理解しておくことが大切です。

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